ナチュラルワインは本当に二日酔いしない?ビオディナミ・ワイン35のQ&A

自然派ワインは、英語だと Natural Wine 。

フランス語だと Vin Naturel や Vin Nature 。

これには、はっきりとした定義はないようです。

そこで、正しい知識を身に付けるべく、「ビオディナミ・ワイン 35のQ&A」という本を読みました。

著者「アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ビーニュ」とは

アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ビーニュ は、世界最高峰の白ワインの造り手「ドメーヌ・ルフレーヴ」の醸造家です。

フランスの名門大学で農業学や醸造学を修めたのち、同ドメーヌで、ビオディナミ農法の先駆者のひとりである故アンヌ=クロードのもとでワイン造りに従事。

彼の科学的知識は、葡萄やワインを学問的に研究する科学者にも引けを取らず、だからこそ説得力があり、科学的な視点からビオディナミ・ワインについて考察されています。

日本でいう福岡正信さんのような方なのでしょうか。自然農法「わら1本の革命」のレビューはこちらです。

https://kirakura.com/agriculture_naturelle/

ビオディナミ・ワインとは

ビオディナミ・ワインを一言で分かりやすく言うと、「農薬や科学肥料を与えずに葡萄を育て、添加物を可能な限り加えずに醸造したワイン」のようです。

それでは主なQ&Aを紹介します。

ビオ(有機農法)とビオディナミはどこが違うのでしょうか?

①従来の農法、②ビオ、③ビオディナミを比較した表です。

three.farming.methods

 

ビオ も ビオディナミ も大きくは変わりません。

栽培について

栽培について、ビオは有機農法が認められている一方、ビオディナミはプレパラート(調合剤)が認められています。

調合剤にも様々なものがあり、代表的なものがスギナを煎じた薬です。

それを蒔くことでベド病が発生する事態を防ぐようです。

スギナは、”つくし”が出た後に生えてくる草のことです。

畑に生えると、取っても取っても生えてくるほど繁殖力が強く、根も深いことから、日本では、別名で「地獄草」とも呼ばれるようです。

スギナは通常湿気の多い土に生息します。内部に驚くほど大量の水分を含みながら、垂直方向に成長します。その構造は、大量の二酸化ケイ素を含む茎と針のように尖った葉からできており、それらの表面は乾いているようです。

このスギナの煎じ茶はとくに雨の多い春にまかれ、葡萄が余分な水分を含むことでベド病が発生する事態を防ぐようです。

現在多くのヴィニュロン(葡萄栽培兼醸造家)によって採用されているそうなので、おそらく本当に効き目はあるのでしょう。

スギナは、出血、結石、ガン、リュウマチ、膀胱・肝臓の病気などに予防効果があるとされ、食用や外用として使われ、大昔の中国の薬草事典にも記されているようです。

醸造について

醸造に関しては、ビオもビオディナミも違いはないようです。

とういうのも、ビオディナミの醸造に関する制限について、「亜硫酸の添加制限(微量なら可)」「産業酵母添加の禁止」「砂糖添加の制限」「清澄や濾過の規制」は、努力目標となっているからです。

努力目標ということで、すべてはヴィニュロンの裁量に任されています。

銅に毒性はあるのでしょうか?

ビオもビオディナミも、農薬の散布が禁止されている一方で、銅の散布は認められています。

銅は接触性の物質で、葡萄の葉っぱや実の表面に付着します。

ベド病の原因となる菌の増殖にブレーキをかけ、一種のバリアのような働きをします。

化学薬品の殺菌剤は通過性、浸透性の物質で、葡萄の細胞レベルに働きかけます。

銅は重量があるため、醸造の過程で圧搾の後にはきれいに取り除かれます。

反対に、化学物質は細胞レベルに痕跡を残すため、出来上がったワインの中にも残るようです。

ビオディナミの土の状態を観察するなかで、銅の使用は生き生きとした土の維持と両立可能であり、銅の使用は化学農薬の使用より、はるかに好ましいと著者は説いています。

ビオディナミ・ワインは亜硫酸を使わないのでしょうか?

ビオディナミ・ワインは亜硫酸無添加のワインとイコールではありません。

亜硫酸は、保存剤としての素晴らしい特性があるため、醸造には不可欠と説いています。

ワインは、その一生のうちで主に二つのリスクに遭遇することになり、一つは望ましくない微生物、もう一つは空気による酸化です。

亜硫酸には、殺菌と酸化防止の作用があるということです。

もちろん、大量の添加は頭痛の原因となるので、必要最低限の量に留める必要があるようです。

まとめ

「ビオディナミ・ワインでは二日酔いしにくい」とよく聞きます。

実際に、お酒が弱い夫も、ビオディナミ・ワインしか飲んでいない場合は、明らかに二日酔いの度合いが違うような気がします。

こういった感覚的なことは日常実感しているのですが、具体的に栽培、醸造方法を知ると理解が深まりました。

栽培に関しては、化学肥料や農薬は散布しませんが、銅については接触性の物質で醸造の圧搾の後には取り除かれることから、問題ないこと。

そして、醸造に関しては、亜硫酸は、殺菌と酸化防止の作用から必要最低限の量を使用すること。

その他にも努力目標である①産業酵母添加の禁止、②砂糖添加の制限、③清澄や濾過の規制があります。

私たち消費者にって、②③は正直分かりませんが、①については飲んで分かるような気がします。

個人的には、自然酵母によるワインが大好きで、私たちのワインセラーには、意識していませんが、気がつくとビオディナミのワインばかりです。

ブルゴーニュやアルザス、その他フランスの銘醸ワインの生産地、そして日本を含む世界の各生産地で、ヴィニュロンたちが、ワインの完成度を目指す過程で次々とビオディナミを選択しているのは事実です。

ビオディナミ・ワインについて理解が深まりますので、ぜひ一度読んでみてください。

シェアしてくれたら嬉しいです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA