脱サラして、起農して、ワイナリーを設立された方を訪問(長野県)

脱サラしてワイナリーを設立した方の話が聞きたいと、夫が長野県のとあるワイナリーを訪問しました。

その際の夫の日記です。

脱サラしてワイナリーを設立

① 脱サラして(60歳までには軌道に乗せたいということで50歳過ぎて脱サラ)

② 修行して(有名な栽培・醸造家のもとで1年間修行)

③ 畑を探して(土壌のデータを国交省から取り寄せて半年間かけて実地調査)

④ 苗を植えて(葡萄を収穫できるようになるまで4年間)

⑤ 収穫して委託醸造して(4年間委託醸造)

⑥ ワイナリーを設立

以上が、ざっくりとしたワイナリー設立までの経緯です。

起農へのこだわり

お話を聞いて印象的だったのは、「買い葡萄でワインを造ることは考えられない」ということを強調されていた点です。

探し見つけた土地で、自分の育てた葡萄でワインを造ることに意味があると話されていました。

今では、①栽培+②醸造+③販売と、すべてご自身で取り組まれています。6次産業ですね。

そのこだわりを貫くために、計算すると6年間は無収入です。

その間は、奥さまのパートの収入で生活されたそうです。

そして、4年間は委託醸造されていますので、相応のコストが掛かったようにお見受けします。

となると、10年越しに夢を実現されていますね。

自社葡萄にこだわった背景

自身の葡萄でワインを造ることにこだわられた背景には、日本ワインの実情が関係していると思います。

日本で造られているワインのうち80.6%は、海外から濃縮果汁等を輸入して造られています(国税庁28年度調査)。

これらの多くが「日本ワイン」と称されています。

②醸造と③販売を中心に行っているということですね。

そのような、ワインとは一線を画したいという思いが根底にあったのではないかと思います。

なお、これらのワインは、2018年10月から表示ルールが見直されるため「日本ワイン」と表示できなくなります。

また、原料を海外から輸入しているのは、ほとんどが大手のワイナリーであり、こららのワイナリーは、最近、自社畑を増やす動きを見せています。

ワイン造りのために移住

横浜から、縁もゆかりもない長野県のある田舎町に夫婦で移住されています。

そこで自分たちが暮らすことをイメージできるかどうかも大事と話されていました。

これは、以前訪れた新潟県のカーブドッチの掛川さん(代表取締役)も話されていました。

全く知らない新潟県の日本海を望む土地に来て、冬は空が低く、日が沈むのも早くて、心が押しつぶされそうなときもあったそうです。

ですが、ワイナリーから見える雄大な角田山を見ていると、心がスーッと落ち着き、それがあったから救われたと話されていました。

移住の際には、景色が良い場所など、何か自分たちの心の拠り所が必要そうですね。

ただ、どこの田舎のワイナリーに行っても、田舎は子育てには最高の環境ということを、皆さん口を揃えて言われます。

まとめ

ワイナリーは6次産業ですが、様々な形態があります。

大手のワイナリーは、②醸造、③販売を中心に行っていましたが、①栽培を行う動きが見られます。

耕作放棄地がどんどんワイン畑に変わっていくことは、とても良いことだと思います。

そして、夫婦でやられているワイナリーなどは、①栽培と②醸造は自分たちで行いますが、③販売については顧客への直接販売は行わずに、酒屋さんなどの流通サイドに任せている方もいらっしゃいます。

ワイン造りのベンチャーの視点からは、自社の葡萄にこだわりたい気持ちはわかりますが、葡萄ができるまでに4〜5年程度要しますので、その間は別の収入を確保することが大事だと思います。

よって、私は、買付葡萄(地域の葡萄)で醸造するという選択肢はありだと思います(海外の濃縮果汁を輸入することは論外ですが)。

自身の葡萄ができるまでに、収入も確保しながら醸造技術を磨く貴重な期間にもなると考えます。

また、葡萄を買付できなければ、シードル(リンゴの発泡酒)を造るのも選択肢の1つだと思います。

さらに言えば、自身の葡萄ができるようになっても、買付葡萄は続けるべきだと思います。

とういうのも、葡萄栽培は自然との闘いでもあります。

常に原料を確保しておく観点からも契約農家さんと連携することは大事な事だと思います。

ベンチャーは、リソース(ヒト、モノ、カネ)が限られていますので、他のリソースを使った方がリスクが限定的になりますし、ある程度スピードを意識することも必要な事だと思います。

今回は、起農の視点から考えてみました。

忘れてならないのは、当たり前のことですが、自身の葡萄であれ、買付葡萄であれ、美味しいワインを造らないと売れないということですね。

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