ワイン葡萄はクローンと台木が大事?高山村の苗木屋さんを訪問!

高山村の苗木屋さんを訪問

長野県高山村の苗木屋さんを訪問しました。

高山村は、林檎や葡萄がたくさん成っており、果樹栽培が盛んです。

西斜面で夕陽が長く当たり、水捌けも良さそうです。

今回、訪問したのは「たむさんのぶどう園」です。

様々なワイン葡萄のクローンと台木を揃えられています。

クローンと台木を指定できる苗木屋さんは、日本では数える程しかありません。

ニュージーランドからクローンの苗木と台木をそれぞれ輸入されています。

出所が確かで、検疫をクリアしたものを取り扱っている苗木屋さんは、それこそ限られています。

「たむさんのぶどう園」とは

「たむさんのぶどう園」は、代表の田村さんが経営されています。

田村さんは、葡萄栽培学とワイン醸造学を習得するために、ニュージーランドへ留学。

そして、ニュージーランドで定評のある、ワイン葡萄専門のナーセリーで苗木生産技術を習得。

帰国後に高山村に就農され、ご自身もワイナリーを作ることが目標だったそうですが、苗木作りが忙しくて、今はそれどころじゃないようです(笑)

昨今の苗木不足の状況については、こちらをご参照ください。

「ワイン葡萄の苗木が不足。その理由をまとめてみた。」

苗木ができるまで

果樹は、病害虫による被害を防ぐために接木が必要になります。

トマトなどの野菜も接木されるものが多いです。

ワイン葡萄も接木が必要で、剪定した穂木と台木を組み合わせます。

不思議なもので、台木の品種ではなく、穂木の品種の葡萄の実が成ります。

田村さんは、以下の流れで苗木を育てているようです。

①剪定した穂木と台木の枝木を収集(冬季)

②接木(3月まで)

③接木カルスのせ(4、5月)

ⅰ)特殊な温室設備で、接木した穂木と台木を温度管理しながら接着

ⅱ)ビニールハウスに移し養成

このようなハウスです。

そして、高山村は朝晩が冷え、霜が降りやすいとのことで、以下のようにハウス内の地面の下に空間を作られています。

雪に埋もれた葡萄の樹が、凍害になりにくいのと考え方が似てる気がします。

④畑養成(6月〜)

農家さんが自分で接木をすると活着率は2割を切るとも言われています。

田村さんも高山村に移ってきて、何度も失敗を積み重ねたそうです。

ワイン葡萄の活着率は、一般的には6割程度と言われていますが、現在は7割以上の実績を残せるまでになったそうです。

それでも、その年の気候によって、活着率は前後に大きくぶれるようです。

台木も大事だが育て方が重要

台木は、その土地に合ったものを選ぶことが重要です。

例えば、北海道では耐寒性が強いと言われている5CやSO4の台木を使うのが良いとされています。

日本の果樹で最もポピュラーな台木は、5BBです。

この台木は、樹勢が強いので樹が大きく育つ傾向にあり、結果的に耐寒性が劣ってしまうからです。

しかし、田村さんは、品種の耐寒性以前に栽培方法の方が重要であると話されます。

徒長気味に育てたり、樹幹を広げすぎたりすると、樹の登熟が遅れて、耐寒性が弱くなってしまうので、そうやらずに適切に管理すれば、5BBでも寒さに耐えられると言います。

リスク分散が大事

ワイン葡萄は、品種によって収穫時期や耐病性が異なります。

よって、多品種の葡萄を育てることがリスク分散になり、顧客にとっても様々なワインを楽しむことができます。

これは、クローンにも当てはまるようです。

ブルゴーニュのロマネ・コンティの畑にあるクローンを、他の場所に植えても同じワインはできません。

その土地に合ったクローンを見極めるには、実際に植えて何年もしないと分かりません。

よって、1つのクローンではなく、複数のクローンを植えることが重要で、それぞれ耐病性も違いますのでリスク分散にも繋がります。

まとめ

高品質なワインを作るには、その土地に合った台木で、複数のクローンを選び、適切に育てることが重要です。

しかし、田村さんが言った次の言葉には衝撃を受けました。

「ニュージーランドではクローンの違いが明らかに出ます」

「しかし、雨の多い日本では、実はクローンの違いが出にくいのです」

「小ぶりな実を付けるクローンも、水を含んで大きくなっちゃうので、違いが出にくいですよ」

つまり、ワイン造りには、小ぶりな実を付ける、雨が少なく、水捌けの良い土地を選択することが重要です。

クローンを吟味することも大事ですが、最も大事なのはクローンを活かせる土地の選択ですね!

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